家庭医学館 「無鉤条虫症」の解説
むこうじょうちゅうしょう【無鉤条虫症 Taeniasis Saginata, Taeniosis Saginata】
4~10mの長さの無鉤条虫が小腸(しょうちょう)に寄生するものです。生(なま)の牛肉中にいる幼虫(嚢虫(のうちゅう))を摂取することで感染します。
腹痛、下痢(げり)、体重減少などの消化器症状がおもな症状です。
[検査と診断]
肛門(こうもん)から成虫の体節が排出され、その体節を調べて診断されることがほとんどです。
無鉤条虫は体節に産卵のための産卵門がなく、ふつうは糞便(ふんべん)内に虫卵(ちゅうらん)が排出されません。そのため、体節が肛門でつぶされたときにその周囲に付着する虫卵を、蟯虫症(ぎょうちゅうしょう)(「蟯虫症」)のときに行なう検査法で調べて見つけて診断します。
[治療]
プラジカンテルを1~2回内服すれば治ります。
生やよく火のとおっていない牛肉を食べないことです。日本では食肉の検査が行き届いていますが、外国では、検査が不十分のところもありますので気をつけましょう。