熊木城跡(読み)くまきじようあと

日本歴史地名大系 「熊木城跡」の解説

熊木城跡
くまきじようあと

[現在地名]中島町谷内

熊木川の川谷が沖積平地にさしかかる地点で右岸に迫った丘陵上に位置する。城の上しろのうえ桝形ますがた城の跡しろのあとなどの地名が残り、空堀や土塁で画された三ヵ所程度の平坦面(郭)が確認され、連郭式縄張りをもつと考えられるが、詳細な調査は行われていない。なお近くに中世墳墓群の上町かんまちマンダラ遺跡が所在する。「三州志」によれば熊木城が二ヵ所あり、中島村殿山とんにやま城は熊木将監居城上町村領(谷内村)貝田かいだ城は城主不明とする。「鹿島郡誌」はその逆の説をとり、貝田城跡は熊来左近(将監)の居城で、殿山城跡は鎌倉初期に長谷部信連が一時居住したが、のち貝田城の出城として利用されたとする。文献史料上の確証はないが、遺構の規模からみて貝田城が熊来氏の城砦であった可能性が強く、殿山城もその関連施設であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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