爪白癬は多くの場合、足や手白癬に続いて起こります。これらを放置することが最も大きな原因です。
爪白癬は足に多いのですが、手指の爪に生じることもあります。複数の病型がありますが、最も多いのが
直接鏡検(顕微鏡での検査)KOH法で行いますが、爪では皮膚と違って菌要素を見つけにくいこと、および菌の形態が不整形で判定しにくいことが多いので注意が必要です。
テルビナフィン(ラミシール)あるいはイトラコナゾール(イトリゾール)の内服で治療します。テルビナフィンは6カ月程度連日内服します。イトラコナゾールは、1日2回4カプセル(合計400㎎)を1カ月に1週だけ内服するパルス療法が行われます。3サイクルで有効です。ともに爪への貯留性が高いので、内服中止後もしばらくは改善していくことが少なくありません。
皮膚真菌症診断・治療ガイドラインでは、短期間で治療を完了したい場合はイトラコナゾールのパルス療法を、時間がかかっても高い治癒率を期待する場合はテルビナフィンの連続投与を選択するとされています。
成人の爪白癬の罹患率はかなり高いとされています。爪の肥厚や変形が高齢者の起立、歩行障害、転倒事故の原因になることも指摘されています。重症になるとますます治療が難しくなるため、なるべく早く内服治療を開始します。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
…マニキュアなどの化学的刺激でつめは白濁してもろくなる。つめが遊離端から白濁して厚くもろくなると,白癬(はくせん)菌の感染による爪白癬である。足に〈水虫〉のある人に多い。…
…手掌に生ずると角質増殖を伴う病型になることもある。爪水虫(爪白癬tinea unguium)は足指の爪に多く,爪の甲が先端より白く混濁し,しだいに肥厚する。爪はもろくなり,粉末状に脱落する。…
※「爪白癬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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