牛黄(読み)ゴオウ

デジタル大辞泉 「牛黄」の意味・読み・例文・類語

ご‐おう〔‐ワウ〕【牛黄】

牛の胆嚢たんのうに生じる黄褐色結石漢方で、狭心症胃炎腎盂炎じんうえんなどに薬用

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精選版 日本国語大辞典 「牛黄」の意味・読み・例文・類語

ご‐おう‥ワウ【牛黄】

  1. 〘 名詞 〙 牛の胆嚢(たんのう)に生ずるという黄褐色の胆石。薬用として珍重された。牛の玉。牛王(ごおう)
    1. [初出の実例]「土左国献牛黄」(出典:続日本紀‐文武二年(698)正月己巳)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐延篤伝〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛黄」の意味・わかりやすい解説

牛黄
ごおう

ウシの胆嚢(たんのう)または胆管中に病的に生じた結石のことで、漢方医学では、強心、鎮静、鎮痙(ちんけい)、解熱解毒薬として各種の熱病心悸亢進(しんきこうしん)(動悸)などに応用される。『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の上品(じょうぼん)に収載されているが、その薬用起源はおそらくインドであろう。

 現在の市場品は、オーストラリア、南アメリカ、北アメリカ、ヨーロッパなどで生産されるが、産量が少ないため、じゃ香に次ぐ高貴薬となっている。

 形は球形が一般的で、ときに三角錐(すい)状、さいころ状のものもある。大きさは径1~4センチメートル、色は赤褐色ないし黄褐色を呈する。軽質で、ほろ苦さのなかに甘味のあるものが佳品とされる。主成分はビリルビン系色素および胆汁酸などである。牛黄は六神丸(ろくしんがん)などの家庭薬原料としての需要も多い。

[難波恒雄・御影雅幸]

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