牡蠣島(読み)かきじま

日本歴史地名大系 「牡蠣島」の解説

牡蠣島
かきじま

厚岸湖内にある牡蠣礁。天然牡蠣が堆積した島礁で、一般に牡蠣島とよばれる。かつては大小六五を数えた。一七九一年(寛政三年)の「東蝦夷地道中記」に「沼の中にビバモシリといふ島ありて蝦夷人住居す。松前人蠣島と唱、元来浪の中に蠣殻積りて壱ツの嶌となれは、外に弁天嶌とて小嶋一ツ、弁天宮を建置く」とある。前近代の地誌・紀行類には「カキモシリ」(「東行漫筆」文化六年四月二八日条)、「蠣シマ」(「蝦夷日誌」一編)ともみえ、山川地理取調図には「イチヤセモシリ 和蠣シマト云」とある。「蝦夷日誌」(一編)は牡蠣をアッケシ場所の名品としてあげ、「其大なるニ至りては壱尺弐三寸より壱尺五寸ニも及ぶ。然し其わりニは肉少し。

牡蠣島
かきじま

サロマ湖東端の旧湖口水路上にあったカキ殻が堆積してできた低い中島にちなむ地名。現在の字栄浦さかえうら市街地およびワッカ原生花園の辺り(大正四年以前は鐺沸村)の通称となった。一七九八年(寛政一〇年)の谷口青山沿岸(市立函館図書館蔵)に「トウフツ(中略)牡蠣丘ノ如シ、嶌アリ。カキカラ嶋ト云」とみえる。山川地理取調図には「イチヤセモシリ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「牡蠣島」の解説

牡蠣島

北海道厚岸郡厚岸町中心部の沖合いに位置する砂州群。厚岸道立自然公園に指定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の牡蠣島の言及

【厚岸湾】より

…厚岸湖は面積約32km2の塩湖で,カキの養殖などが行われている。湖の西部に連なる牡蠣(かき)島は,天然のカキ殻などが堆積したもので,アッケシソウ,ウミミドリなどの塩性植物群落として天然記念物に指定されているが,地盤沈降や水質汚濁などのため湖岸部を除けば,ほとんど見られなくなった。湾口にある大黒島は周囲6km,最高点103mの段丘面が広がり,周囲は急崖で海鳥の繁殖地として天然記念物に指定されている。…

※「牡蠣島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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