牡蠣
ぼれい
『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の上品に収載されている漢薬。カキ(牡蠣)の仲間の貝殻を軽く焙(ほう)じて砕き、粗粒として用いる。炭酸カルシウムを主成分とする。現在、薬用に市販されているものは主としてマガキCrassostrea gigas Thunb.の左殻である。制酸、止渇、止汗、鎮静薬として、胃酸過多、盗汗(寝汗)、夢精、るいれき(頸(けい)部リンパ節結核)、精神不安定などに応用する。貝殻を薬用とするものとしては、ほかに貝歯(ばいし)(タカラガイの仲間)、石決明(せっけつめい)(アワビの仲間)などがある。前者はおもに抗炎症、鎮静、後者は眼疾患による視力障害に応用される。
[難波恒雄・御影雅幸]
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かき【牡=蠣】
イタボガキ科の二枚貝の総称。海中の岩などに固着する。貝殻形は一定しないが、片方の殻は膨らみが強く、片方は平たい。殻表には成長脈が薄板状に発達。マガキ・イタボガキ・スミノエガキ・イワガキなど食用となるものが多く、養殖もされる。オイスター。《季 冬》「松島の松に雪ふり―育つ/青邨」
[補説]乳白色の色合いと、栄養が豊富であることから「海のミルク」と呼ばれる。
ぼ‐れい【×牡×蠣】
カキの貝殻。漢方で収斂・鎮静薬などに用いる。
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ぼ‐れい【牡蠣】
〘名〙
② 牡蠣
(かき)の貝殻を焼いてつくった粉末。薬用にする。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報