日本大百科全書(ニッポニカ) 「サロマ湖」の意味・わかりやすい解説
サロマ湖
さろまこ
北海道北東部、オホーツク海岸にある塩水湖。湖名はアイヌ語のサル・オマ・トー(葭原(よしはら)にある湖)の意。面積151.82平方キロメートルで、琵琶(びわ)湖、霞ヶ浦(かすみがうら)に次ぐ。周囲92キロメートル、最大深度19.6メートル。延長30キロメートル、幅200~700メートルの砂嘴(さし)によってオホーツク海と隔てられている潟湖(せきこ)で、かつては東端の鐺沸(とうふつ)付近で海に通じ、冬季は流砂で閉じられていたが、1929年(昭和4)砂嘴の中央に約300メートルの開口部が掘削された。これによって湖水と海水との交換が活発となり、外海の魚類が入り、またホタテガイ生育の適地となった。現在ホタテガイのほか、カキ、ホッカイシマエビ、ウニの養殖が行われる。網走(あばしり)国定公園に指定され、さんご岬、キムアネップ岬などにはアッケシソウ(ヤチサンゴ)の群落がある。1月上旬から3月上旬まで全湖面が結氷する。
[岡本次郎]