牧山村(読み)まきやまむら

日本歴史地名大系 「牧山村」の解説

牧山村
まきやまむら

井原いはら庄内の村。貞和三年(一三四七)三月二〇日の足利尊氏下文案(久下信生家文書)に「井原庄内牧山村」とみえ、尊氏によって久下時重に勲功の賞として沼貫ぬぬき庄内佐野さの(現氷上町)とともに宛行われている。明応八年(一四九九)一一月一九日の久下道祖増丸本知行注文(同文書)にもみえるので、戦国時代まで久下氏の所領として維持されたものと思われる。


牧山村
まきやまむら

勝沼かつぬま柏尾かしお地内の白山はくさんで発見された康和五年(一一〇三)在銘の経筒の銘文中に「東海道甲斐国山東郡内牧山村米沢寺千手観音宝前籠居」とみえる。同経筒の発願の場所を示すと考えられるが、その場所は定かではない。「山東郡」は「和名抄」にいう「山梨東郡」の省略と考えられ、於曾おぞ能呂のろ林部はやし井上いのえ玉井たまのいの五郷からなっていた。


牧山村
まきやまむら

[現在地名]金沢市牧山町

くるま村の南東に位置。正保郷帳では車村と並記され、高四二〇石余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印の高二六一石、免五ツ一歩、小物成は山役二四三匁・漆役一匁・蝋役二匁・綿役一匁(三箇国高物成帳)。寛文年間の家高数八・百姓数八(高免付給人帳)


牧山村
まきやまむら

[現在地名]蒲郡市豊岡とよおか

市域東部、標高三六三・四メートルの御堂みどう山の西麓に位置する。「豊岡村誌」によると、慶長年中(一五九六―一六一五)松平主殿領、慶安元年(一六四八)松平帯刀領、同三年牧山を東西に分け、東は松平主水領、元禄一二年(一六九九)東牧山村は一色丹後守領となり明治に至る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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