物価統計(読み)ぶっかとうけい

改訂新版 世界大百科事典 「物価統計」の意味・わかりやすい解説

物価統計 (ぶっかとうけい)

市場で取引される商品・サービスの価格変動を測定することを目的とした統計調査の総称であり,調査対象,価格調査段階等を異にする各種の物価統計がある。こうした統計調査に基づき収集した価格について,その変動を総合的にとらえるため,基準時を特定し,一定算式を用いて指数化したのが物価指数である。それぞれ固有の利用目的をもついろいろな物価指数のなかで,代表的なものとしては〈消費者物価指数〉と〈卸売物価指数(現,企業物価指数)〉とがある。消費者物価指数(総務庁作成)は,全国の一般消費者世帯(農林漁家世帯,単身者世帯を除く)が消費目的のために購入する商品・サービスの価格(小売物価統計調査によって得られた小売価格)を対象とし,その全般的な物価水準の変動を測定することを目的とした指数で,1946年8月から統計が始められている。

 卸売物価指数(日本銀行作成)は,企業間で取引されるすべての商品の価格(卸売物価統計調査によって得られた企業間取引価格)を対象とし,その変動を集約的にとらえることを目的とした指数で,1887年1月から開始されている。現行体系は国内卸売物価(国内市場向け国内生産品の大量取引市場における販売価格),輸出物価(輸出品の水際価格),輸入物価(輸入品の水際価格)の3指数と,これらを統合した総合卸売物価指数で構成されている。このほか主要な物価指数としては,農家が販売する農産物の全国平均価格(農産物価格指数)および農家が購入する農業生産資材と生活資材の小売価格(農家購入品価格指数)をそれぞれ対象とする〈農村物価指数〉(農林水産省作成,1948年4月開始),輸出入品の通関時における平均単価を対象とする〈貿易価格指数〉(大蔵省作成,1949年1月開始),全国主要140都市の市街地価格(評価価格)を対象とする〈全国市街地価格指数〉(日本不動産研究所作成,1936年9月開始)などがある。なお,〈GNPデフレーター〉(名目GNP/実質GNP,経済企画庁作成)も,一国全体の物価水準を示す指標として広い意味での物価指数の一種であり,上記の各物価指数を主要な基礎データとして作成されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「物価統計」の意味・わかりやすい解説

物価統計
ぶっかとうけい

物価指数

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