企業間で取引される商品の値動きを示す指数で、日銀が毎月公表している。国内で生産された国内向け商品を調べた「国内企業物価指数」や輸入品の「輸入物価指数」、輸出品の「輸出物価指数」で構成する。日銀は、企業間で取引されるサービス価格の変化を示す統計も別途公表している。消費者物価指数とともに、景気や金融政策を判断する上で重要な指標となる。
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企業間で取引される財(商品)の価格を結合して一つの指数に表し、その時系列的な変動を測定するもの。日本銀行が算出し、毎月公表している。略してCGPIともよばれ、消費者物価指数(CPI)と並んで、代表的な物価指数である。1995年(平成7)基準までは卸売物価指数とよばれていたもので、景気動向や金融政策を判断するうえでの経済指標の一つとして重視されている。企業間の取引内容を基準時(比較の基準となる時点)のものに固定し、これに要する費用が個々の財の価格変化によってどのように変化したかを指数の形で示している。国内企業物価指数、輸出・輸入物価指数で構成される基本分類指数のほか、基本分類指数を利用目的に応じ加工するなどして作成した参考指数(需要段階別・用途別指数など)を算出している。
指数の算出には、ラスパイレス指数の考え方が用いられている。企業間の取引内容の変化に対応するため、5年に1回、基準時が改定されている。基準時改定の際には、個別の財に企業がどれだけ支出しているかの支出割合(ウェイト)を変更する。ウェイトは国内企業物価指数、輸出・輸入物価指数でそれぞれ異なる。
企業物価指数の算出は、その前身である1887年(明治20)1月基準の東京卸売物価指数の公表を1897年に開始したことに始まる。当初は単純算術平均指数であったが、1933年(昭和8)基準改定からラスパイレス指数の考え方が用いられた。1952年(昭和27)基準改定で統計名称を卸売物価指数に変更し、1980年基準改定で国内卸売物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数、総合卸売物価指数からなる指数体系が完成した。国内卸売物価指数は、従来の卸売物価指数の国内品指数に対応。輸出・輸入物価指数は、従来の卸売物価指数の輸出品・輸入品指数を、卸売物価指数とは独立した指数体系として公表していた輸出入物価指数(「1949年7月~1950年6月基準輸出入物価指数」として1951年に公表開始)に吸収・整理したものに対応している。
2000年(平成12)基準改定で統計名称を現在の企業物価指数に変更し、国内企業物価指数、輸出・輸入物価指数からなる指数体系とした。総合卸売物価指数は、「国内・輸出・輸入の平均指数」という参考指数として公表を続けたが、2005年基準で算出が取りやめとなった。
基準時改定の際には、指数算出に用いる財の入れ替えも行われる。1887年1月基準の東京卸売物価指数では30品目であったが、2015年基準では1213品目(うち、国内企業物価指数が746品目、輸出物価指数が209品目、輸入物価指数が258品目)となっている。
[飯塚信夫 2019年2月18日]
(本庄真 大和総研監査役 / 2007年)
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