物怪(読み)モッケ

デジタル大辞泉 「物怪」の意味・読み・例文・類語

もっ‐け【物怪/×怪】

[名・形動]
思いがけないこと。不思議なこと。また、そのさま。
「彼らは―な顔をしながら」〈中勘助・鳥の物語
けしからぬこと。不吉なこと。また、そのさま。
「この事によりて、様々の―ありければ、占はするに」〈今昔・一四・四五〉

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精選版 日本国語大辞典 「物怪」の意味・読み・例文・類語

もっ‐け【物怪・勿怪】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「もののけ」の変化した語 )
  2. 思いがけないこと。意外なこと。不思議なこと。あやしいこと。また、そのさま。もっかい。
    1. [初出の実例]「牝は不鳴ものぞ〈略〉鳴けばもっけで、家のつくる兆ぞ」(出典:史記抄(1477)三)
  3. けしからぬこと。不吉なこと。また、そのさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「名は儒者墨者の如は凶器也、もっけの器也」(出典:古活字本荘子抄(1620頃)八)
  4. もののけ(物怪)
    1. [初出の実例]「物化(モッケ)の姿(さま)に身を餝りなして念仏をうたひて」(出典菅江真澄遊覧記(1784‐1809)迦須牟巨麻賀多)

物怪の補助注記

平家物語」の章題名「物怪之沙汰」の「物怪」は、よみの明らかに示されているものにより、普通「もっけ」とよまれる。


も‐け【物怪・勿怪】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 思いがけないこと。意外なこと。不思議なこと。また、そのさま。もっけ。
    1. [初出の実例]「あの地蔵ならば、鵠一にかへなむと、云を聞て、もけの事ききつと思て」(出典:梵舜本沙石集(1283)八)

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普及版 字通 「物怪」の読み・字形・画数・意味

【物怪】ぶつかい(くわい)

怪異。〔史記、天官書論賛〕幽・(ふる)し。見(あら)はるるの天變、皆國ごとに窟を殊にし、家ごとに物怪を占(うらな)ひ、以て時應に合はす。其の、圖(とせき)(きしやう)、法あらず。

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