特発性肺血鉄症(読み)とくはつせいはいけつてつしょう(その他表記)Idiopathic Pulmonary Hemosiderosis

家庭医学館 「特発性肺血鉄症」の解説

とくはつせいはいけつてつしょう【特発性肺血鉄症 Idiopathic Pulmonary Hemosiderosis】

[どんな病気か]
 肺の中に出血がおこる原因には、肺の外傷、肺がん、肺結核(はいけっかく)、左心不全(さしんふぜん)などがあります。ところが、以上のようなはっきりした原因もなく、肺胞(はいほう)の中にくり返し出血がおこり、だんだん肺の組織に線維せんい)が増えてかたくなる(肺線維症(はいせんいしょう))のが、特発性肺血鉄症です。特発性というのは原因不明という意味です。
 出血量は、少し血液がたんにまじる程度から、大量の血を吐(は)くものまであります。
 多くの場合、くり返す肺出血の結果、鉄欠乏性貧血がおこります。
 また、X線写真には、肺に血液がしみ出した(浸潤(しんじゅん))陰影がみられます。
 ふつう、乳児または10歳以下の子どもが発病し、多くは、悪化と改善をくり返しながら、だんだんに呼吸困難が進みます。おとなになって発病することもあります。
 電子顕微鏡で検査すると、肺の毛細血管(もうさいけっかん)の基底膜(きていまく)が厚くなったり、断裂(だんれつ)しているという報告がありますが、その原因は不明です。
[検査と診断]
 以上のような特徴とともに、たんや、気管支チューブを入れて洗浄(せんじょう)(気管支肺胞洗浄(きかんしはいほうせんじょう))した液の中に、鉄を取り込んだマクロファージ(これを担鉄細胞(たんてつさいぼう)という)が多数みられれば、ほぼ診断がつきます。
[治療]
 原因不明ですから、確実な治療法はありません。しかし、ステロイド副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)薬、クロロキンシクロホスファミドなど、免疫のはたらきを抑える薬を使用して、改善した例が報告されています。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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