シクロホスファミド(英語表記)cyclophosphamid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シクロホスファミド」の意味・わかりやすい解説

シクロホスファミド
cyclophosphamid

ナイトロジェン・マスタード誘導体の一種核酸やその他の細胞構成成分をアルキル化して細胞の代謝を阻害し,特に腫瘍細胞を死にいたらしめる。こうした作用をもつ抗腫瘍剤をアルキル化剤と呼んでいる。それ自体に抗腫瘍性はなく,生体内で開環されて活性物質となる。腫瘍細胞に対する選択性は高い。安全域は高く,急性毒性はナイトロジェンマスタード-N-オキシドの約2分の1で,慢性毒性もアルキル化剤のなかでは最も低い。各種の肉腫,ホジキン病,白血病,各種の悪性腫瘍などの改善に用いる。副作用として白血球減少頭痛,胃腸障害,脱毛出血傾向などがみられるが他のアルキル化剤より少い。

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