狩野吉信(読み)かのうよしのぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩野吉信」の意味・わかりやすい解説

狩野吉信
かのうよしのぶ

[生]天文21(1552)
[没]寛永17(1640)
桃山時代末期~江戸時代初期の狩野派画家。昌菴ともいう。狩野元信の弟あるいは兄,雅楽助 (うたのすけ) の孫で,長信とともに安信を後見して京都に住した。作画活動には不明な点が多い。狩野昌安とは別人と考えられている。代表作『職人尽図』押絵貼屏風 (川越喜多院) は風俗画として著名

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「狩野吉信」の解説

狩野吉信 かのう-よしのぶ

1552-1640 織豊-江戸時代前期の画家。
天文(てんぶん)21年生まれ。狩野之信の孫。狩野長信とともに狩野派内の長老格として,幼少の狩野宗家の安信を後見した。寛永17年死去。89歳。通称は久左衛門。号は昌庵。作品に川越喜多院蔵の「職人尽図」など。

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世界大百科事典(旧版)内の狩野吉信の言及

【職人尽絵】より

…《色紙形職人尽絵》(49枚,天理図書館)はもと屛風に貼り込まれていたと思われるが,高い視点から俯瞰(ふかん)的に店頭を克明にとらえ,人物への視点も接近するが,構図や人物描写は中世的な絵巻を踏襲している。これに対して《職人尽図屛風》(川越市喜多院)は各扇2図ずつ計24図の六曲一双の貼込屛風で,狩野吉信(1552‐1640)の筆になる。これらは職人生活の実態を,店頭のみならず町屋を背景に描いており,《洛中洛外図屛風》の一こまを切り取った観がある。…

※「狩野吉信」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」