朝日日本歴史人物事典 「狩野長信」の解説
狩野長信
生年:天正5(1577)
桃山・江戸前期の狩野派の画家。幕府の表絵師のひとつ,御徒町狩野家の祖。松栄の4男,休伯と号した。慶長年間(1596~1615)京都で徳川家康に拝謁,次いで駿府に下り,その御用絵師となった。慶長10(1605)年ごろ江戸へ赴き,寛永2(1625)年法橋となり,この地で没した。本格的に徳川家の御用を勤めた最も早い画家のひとりで,狩野家がこののち,幕府の御用絵師となる端緒を開いた点で,極めて重要な役割を果たした。代表作に「花下遊楽図屏風」(東京国立博物館蔵)がある。江戸谷中の信行寺に葬られた。<参考文献>結城素明『狩野長信の研究』
(榊原悟)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報