狭し(読み)セシ

デジタル大辞泉 「狭し」の意味・読み・例文・類語

せ・し【狭し】

[形ク]せまい。窮屈である。単独用例はなく、「所狭ところせし」「道もに」などの形で用いられる。→所狭ところせ

さ・し【狭し】

[形ク]せまい。
天地あめつちは広しといへどがためは―・くやなりぬる」〈・八九二〉

せば・し【狭し】

[形シク]せばい」に同じ。
「みさごゐる磯まに生ふる松の根の―・しく見ゆる世にもあるかな」〈堀河百首

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精選版 日本国語大辞典 「狭し」の意味・読み・例文・類語

せ・し【狭】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 せまい。窮屈である。せばし。多く、複合語「ところせし」、あるいは「…もせに」の形で用いる。→せ(狭)ところせし

狭しの語誌

上代では「迫門(せと)」〔万葉‐三八七一〕のような熟語や「山も世(せ)に咲ける馬酔木」〔万葉‐一四二八〕のように「…もせに」の形で用いられるセが見られるだけで、形容詞セシは成立していなかったと思われる。「せまる(迫)」「せむ(攻)」「せく(塞)」などの動詞はこのセからの派生とされるが、形容詞セシも、後世、このセから派生したものであろう。ただし、上代から存在し広く使用された類義語「せばし」と競合したためか、「ところせし」の形で見られるにすぎない。


さ・し【狭】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 せまい。
    1. [初出の実例]「其の路、狭(サク)(さかし)くして人、並行(なみゆ)くこと得す」(出典日本書紀(720)神武即位前戊午年(北野本室町時代訓))
    2. 「天地は 広しと言へど 我がためは 狭(さく)やなりぬる」(出典:万葉集(8C後)五・八九二)

せま・し【狭】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙せまい(狭)

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