デジタル大辞泉
「狸汁」の意味・読み・例文・類語
たぬき‐じる【×狸汁】
1 狸の肉を野菜とともに味噌で煮た汁。《季 冬》「―座中の一人ふと消えぬ/紅緑」
2 蒟蒻を肉の代用にし、牛蒡・大根などをいためて入れた味噌または醤油仕立ての汁。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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たぬき‐じる【狸汁】
- 〘 名詞 〙
- ① 狸の肉を大根、牛蒡(ごぼう)などといっしょに味噌で煮た汁。ふつうはアナグマの肉が使われる。《 季語・冬 》
- [初出の実例]「有二夕飡一〈略〉有二狸汁一」(出典:康富記‐嘉吉二年(1442)一一月一一日)
- [その他の文献]〔料理物語(1643)〕
- ② 蒟蒻(こんにゃく)をあずき、豆腐などといっしょに味噌で煮た汁。
- [初出の実例]「きじやきの、たぬきじるのとどしめく、こはいかなる事にやと心空にてみれば、さもなき精進物の御菜也」(出典:仮名草子・可笑記(1642)三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の狸汁の言及
【アナグマ(穴熊)】より
…ときにはムジナと呼ばれ,タヌキと混同されるが,イヌ科のタヌキは四肢が細く,一見して区別できる。俗にいう〈タヌキ汁〉は〈アナグマ汁〉のことだといわれる。とくに冬の〈アナグマ汁〉はアナグマの脂肪とみその味が溶け合って美味とされた。…
【コンニャク(蒟蒻)】より
…東南アジア大陸部に分布し,中国や日本では,大きな地下の球茎を食用や薬用にするため栽培されるサトイモ科の夏緑多年草(イラスト)。地下に直径30cmをこえることもある大きな球茎を有し,それより1本の高さ50~200cmの茎のように見える円柱状の葉柄を直立させる。葉身は葉柄頂で3裂し,さらに1~2回分裂し,それに多数の小葉をつけ,やや水平に展開する。花(イラスト)は数年をへて大きく生長した球茎から初夏に出,暗紫色で20cm以上にもなる仏焰(ぶつえん)苞につつまれた肉穂花序の基部に雌花,次いで雄花が密集してつく。…
※「狸汁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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