猫に鰹節(読み)ネコニカツオブシ

精選版 日本国語大辞典 「猫に鰹節」の意味・読み・例文・類語

ねこ【猫】 に=鰹節(かつおぶし)[=鰹(かつお)

  1. 好物をそばに置いて、油断ができないこと。あやまちが起こりやすい状況であることのたとえ。また、危険であることのたとえ。猫に乾鮭(からざけ)
    1. [初出の実例]「取たる国郡を人の方へ渡すといふ儀は、下劣の喩に猫(ネコ)に鰹(カツヲ)の節(フシ)を預たると申も」(出典甲陽軍鑑(17C初)品五一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「猫に鰹節」の解説

猫に鰹節

当人の好物を預けたり、わざわざそばに置いたりして、あやまちが起こりやすい状況のたとえ。また、相手が悪いことを承知で譲歩し、危険を招くこと。

[使用例] こんなことが起こりそうな気もうすうすはしてたんだ。だって、ひとり者のところへ生娘を習いにやるなんざ、猫にかつぶしじゃあないか[榎本滋民*長屋歳時記|1982]

[解説] 鰹節は猫の大好物で、江戸時代には他家に猫をくれるときに鰹節を添える風習もありました。そばにあれば猫が手を出すのは当然で、ことわざの批判は猫よりも、むしろそれを承知で預けたり、そばに置いた者に向けられています。

〔異形〕猫に鰹/猫にからざけ

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