猿曳門出諷(読み)さるまわしかどでのひとふし

精選版 日本国語大辞典 「猿曳門出諷」の意味・読み・例文・類語

さるまわしかどでのひとふしさるまはし‥【猿曳門出諷】

  1. 歌舞伎脚本。世話物。二幕。近松徳三作。寛政一〇年(一七九八大坂角の芝居初演浄瑠璃近頃河原達引」を歌舞伎化した作。初演では「門出諷」を「かどでうた」とよんだ。

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改訂新版 世界大百科事典 「猿曳門出諷」の意味・わかりやすい解説

猿曳門出諷 (さるまわしかどでのひとふし)

歌舞伎狂言。世話物。近松徳三作。2幕。1798年(寛政10)7月大坂中山与三郎座(角の芝居)初演。お俊伝兵衛物の系統に属する作品で,天明(1781-89)初年ごろ成立の人形浄瑠璃近頃河原達引》の書換えである。明治期まではよく上演されたが,その後は《近頃河原達引》の上演が多い。井筒屋伝兵衛は恩義ある人のために鷹の一軸を探求しているが,その一軸は亀山の武士横淵官左衛門の手にあり,しかも,官左衛門は伝兵衛の恋人の遊女お俊に横恋慕している。伝兵衛の許嫁おみつの兄の滝口左内の尽力で一軸は伝兵衛の手に入るが,四条河原で官左衛門と争ううち,一軸が引き裂かれたので,伝兵衛は官左衛門を殺してしまう。お俊は堀川に住む兄の猿回し与次郎の家へ伝兵衛とともに身を寄せる。お俊と伝兵衛の真情を知った与次郎は商売の猿を回して2人の門出を祝う。聖護院の森で心中しようとしたお俊と伝兵衛は追ってきた人々に救われ,引き裂かれた一軸も偽物であったことが判明して,めでたく大団円を迎える。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「猿曳門出諷」の解説

猿曳門出諷
さるまわし かどでのひとふし, さるまわし かどでうた

歌舞伎・浄瑠璃の外題
作者
近松徳三 ほか
補作者
篠田金二 ほか
初演
寛政10.7(大坂・中山与三郎座)

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