玉【えん】梵芳(読み)ぎょくえんぼんぽう

百科事典マイペディア 「玉【えん】梵芳」の意味・わかりやすい解説

玉【えん】梵芳【ぎょくえんぼんぽう】

室町初期の禅僧春屋妙葩(しゅんおくみょうは)の法嗣(はっす)で,1413年足利義持推挙南禅寺81世となった。晩年は南禅寺竜華院内に隠棲。詩,書,画に万能で,詩画軸の賛が多い。雪窓普明(せっそうふみん)など宋元の画蘭を学び,墨蘭(ぽくらん)の名手として知られる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「玉【えん】梵芳」の意味・わかりやすい解説

玉えん梵芳
ぎょくえんぼんぽう

室町時代画僧。幼少より春屋妙葩 (しゅんおくみょうは) に従ったが,近江永源寺の寂室元光の隠逸の風に強い影響を受け,また詩文を義堂周信に学んだ。豊後万寿寺,建仁寺,南禅寺などに歴住,将軍足利義持の帰依を受けた五山の長老的存在。しかし応永 27 (1420) 年義持と衝突し,七十余歳で近江へ去り隠遁の志をとげた。詩文に巧みで応永年間 (1394~1428) の詩画軸に多く賛を残すが,自身も余技水墨蘭画をよくした。主要作品『蘭石図』 (鹿王院) 。

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