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詩画軸 しがじく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

詩画軸
しがじく

画面の上部の余白に画題にちなんだ漢詩を書いた掛物形式の絵画。中国の宋,元の文人間では絵の上部に詩のをつけるのが一般的であったが,やがてこの習慣が禅僧の間で広く行われるようになった。日本では禅宗伝来とともに詩画軸の形式も行われるようになり,五山の禅僧の間で漢文学が盛んになるにつれて,詩画軸の形式も一層普及し,水墨山水図の成立に重要な働きをした。代表例に筆者不明の『柴門新月図』 (1405,藤田美術館) ,伝明兆筆『渓陰小築図』 (13) などがある。

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デジタル大辞泉の解説

しが‐じく〔シグワヂク〕【詩画軸】

画面上部の余白に、その絵にちなんだ漢詩を書いた掛け軸。→詩軸

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百科事典マイペディアの解説

詩画軸【しがじく】

漢詩のを書き入れた掛軸形式の絵画。詩軸ともいう。中国の書画一致の理想を反映し,一層画趣を増すために詩(書)を補う。唐代に発生した文人画に基盤を見,日本では鎌倉以降,水墨の山水・人物・花卉(かき)画などに多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

しがじく【詩画軸】

図上に詩文などの著賛をもつ絵画形式で,中国における詩画一致の思想から生まれたものであり,詩軸や詩画巻,跋文(ばつぶん)と本紙との併存,詩画屛などと関連しながら掛軸(掛物)として定着したものである。日本では,禅僧の漢詩文や隠逸趣味と結びついて,京都五山を中心に独自の発達をとげた。1405年(応永12)の《柴門(さいもん)新月図》(藤田美術館)を最古例に,応永年間(1394‐1428)に優品が多い。如拙周文以降の水墨山水画の成立過程において重要な役割をはたしている。

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大辞林 第三版の解説

しがじく【詩画軸】

掛軸で、画面の上部の余白に、その絵にちなんだ漢詩を書いたもの。 → 詩軸

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世界大百科事典内の詩画軸の言及

【室町時代美術】より

…明兆は水墨による大幅の仏画と彩色の羅漢画を豊かな筆力で描き分け,ついで如拙,周文が将軍家の用命に応じて活躍した。彼らとその周辺の画僧が多く手がけた詩画軸は,将軍も加わって五山の僧の間に流行した詩会の産物で,それは当時の中国禅林に浸透していた文人趣味の移植されたものである。詩画軸の画は,小画面の挿図的なものとはいえ,その詩的情趣に富む表現は,中国山水画の日本的解釈としてすぐれている。…

※「詩画軸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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