生成り(読み)ナマナリ

デジタル大辞泉 「生成り」の意味・読み・例文・類語

なま‐なり【生成り/生熟り】

[名・形動]
生熟れ1」に同じ。
能面の一。角を少し生やし、髪を乱した女面般若はんにゃの前段階で、女性の中の魔性がまだ十分に熟さない状態を表す。「鉄輪かなわ」の後ジテに用いる。
未熟であること。十分にできあがっていないこと。また、そのさまや、そのもの。
「―ナ鮨」〈日葡

き‐なり【生成り/生形】

糸や布地の漂白していないもの。また、その色。→生成り色
生地のままで、飾り気のないこと。
敦樸は厚淳朴なるぞ。其まま―なを云ふぞ、飾らぬぞ」〈蒙求抄・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「生成り」の意味・読み・例文・類語

き‐なり【生成・生形】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 生地のまま、飾りけのないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「敦樸は厚淳朴なるそ。其ままきなりなを云ぞ、かざらぬぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)二)
  3. 生のままで、染めたりさらしたりしない糸や布地。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生成り」の意味・わかりやすい解説

生成り
きなり
ecru/'ecru(仏)

染色あるいは漂白される前の,天然繊維の色。未ざらしの麻の色で,ベージュ,オフホワイト,明るい黄褐色などがある。素朴な感じ人気がある。

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