生者(読み)ナマモノ

デジタル大辞泉 「生者」の意味・読み・例文・類語

なま‐もの【生者】

未熟な者。なまいきな者。また、身分の卑しい者。
「今は昔、京にきはめて身貧しき―ありけり」〈今昔・三〇・五〉

せい‐じゃ【生者】

《「せいしゃ」とも》生きている者。しょうじゃ。⇔死者

しょう‐じゃ〔シヤウ‐〕【生者】

生命のあるもの。生きているもの。せいじゃ。

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精選版 日本国語大辞典 「生者」の意味・読み・例文・類語

なま‐もの【生者】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「なま」は接頭語 )
  2. 知ったふりをする人。なまいきな者。
    1. [初出の実例]「御調度どもをいと古体になれたるが、昔様にてうるはしきを、なまものの故知らむと思へる人」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蓬生)
  3. 身分の卑しい者。
    1. [初出の実例]「かやうの所にはよからぬなまものどもの」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)

せい‐じゃ【生者】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せいしゃ」とも ) 生きているもの。命ある者。しょうじゃ。
    1. [初出の実例]「凡生者不動。惟死者而後見其真静也」(出典童子問(1707)中)
    2. [その他の文献]〔礼記‐檀弓〕

しょう‐じゃシャウ‥【生者】

  1. 〘 名詞 〙 生きているもの。いのちあるもの。生まれた者。せいじゃ。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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