古体(読み)コタイ

デジタル大辞泉 「古体」の意味・読み・例文・類語

こ‐たい【古体】

[名・形動]
古い時代のものであること。古めかしいこと。また、そのさま。古風昔風。「しょ古体
「御調度どもも、いと―に馴れたるが」〈蓬生
漢詩で、唐以前に行われた詩体古詩楽府がふなど。→近体

こ‐てい【古体】

こたい(古体)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「古体」の意味・読み・例文・類語

こ‐たい【古体】

〘名〙
① (形動) 古い時代のものであること。古めかしいこと。また、そのさま。昔のすがた。古風。昔風。
万葉(8C後)六・一〇一一・題詞「争発念心々和古体
※大鏡(12C前)四「古体に侍りや。女のあまりにざえかしこきは、ものあしきと、人の申なるに」
② 漢詩で、唐代の律詩絶句を近体というのに対して、それ以前の詩の体をいう。古詩、楽府など。〔杜甫‐暮冬送蘇徯適桂州詩〕
漢文で、古風な文体。また、古文書体。〔南史‐劉之伝〕

こ‐てい【古体】

〘名〙 (形動) (「てい」は「体」の漢音) =こたい(古体)易林本節用集(1597)〕

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普及版 字通 「古体」の読み・字形・画数・意味

【古体】こたい

古風の文体。〔梁書藻伝〕、性、~善く辭を屬(つく)り、尤(もっと)も古體を好む。讌に非ざるよりは、未だ嘗(かつ)てりに爲(つく)るらず。

字通「古」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の古体の言及

【詩】より

…唐の詩人たちは,魏・晋から南北朝を通じて発展してきた〈五言〉の形式を受け継ぎ,さらに〈七言〉の形式を完成させた。また,詩に〈古体〉と〈今(近)体〉の別が定まったのもこの時代である。〈古体〉とは比較的自由な形式の詩であり,〈今体〉とは韻律が一定の型に従うもので,律詩と絶句がこれに当たる。…

※「古体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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