日本歴史地名大系 「田村郡」の解説
田村郡
たむらぐん
県の東部に位置し、東は双葉郡
〔原始―中世〕
常葉町の
「古今著聞集」巻二〇(馬允某陸奥国赤沼の鴛鴦を射て出家の事)に「みちのくに田村の郷の住人、馬允なにがし(中略)あかぬまといふ所に」とみえ、鴛鴦伝説の分布から少なくとも大滝根川下流の田村郡西部(現郡山市の阿武隈川以東)一帯を田村郷と称したと推定される。一四世紀には田村庄と小野保の存在を知ることができ、田村庄は室町時代を通じて紀州熊野新宮領で、同庄六六郷内の諸村から年貢を貢納している。田村庄の庄域は現在の三春町・船引町・常葉町の全域と大越町・小野町の一部、および阿武隈川以東の郡山市域に比定される(永禄一一年七月吉日「熊野山新宮年貢帳」青山文書)。田村庄の南に接していた小野保は小野六郷と称し、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報