日本大百科全書(ニッポニカ) 「船引」の意味・わかりやすい解説
船引
ふねひき
福島県中東部、田村郡にあった旧町名(船引町(まち))。現在は田村市船引町地区で、市の北西部を占める地域。旧船引町は、1934年(昭和9)町制施行。1955年(昭和30)文珠(もんじゅ)、美山(みやま)、瀬川(せがわ)、移(うつし)、芦沢(あしざわ)、七郷(ななごう)の6村と合併。2005年(平成17)滝根(たきね)、大越(おおごえ)、常葉(ときわ)の3町および都路(みやこじ)村と合併して市制施行、田村市となった。JR磐越(ばんえつ)東線、国道288号、349号が通じ、磐越自動車道の船引三春インターチェンジがある。阿武隈高地(あぶくまこうち)の中央にあり、標高400メートル以上の高原であるが、平坦(へいたん)地も広く、葉タバコの主産地であり、トマト・キュウリ栽培、肉牛飼育なども行われる。堂山王子神社(どうやまおうじじんじゃ)の本殿は桃山様式を伝え、国指定重要文化財。南部の高柴(たかしば)山周辺は阿武隈高原中部県立自然公園の一部。
[渡辺四郎]
『『船引町史』全5巻(1982~1988・船引町)』