甲斐庄 楠音(読み)カイノショウ タダオト

20世紀日本人名事典 「甲斐庄 楠音」の解説

甲斐庄 楠音
カイノショウ タダオト

大正・昭和期の日本画家



生年
明治27(1894)年12月13日

没年
昭和53(1978)年6月16日

出生地
京都府京都市上京区椹木町竹屋町角

旧姓(旧名)
甲斐荘 楠音(カイノショウ タダオト)

学歴〔年〕
京都市立美術工芸学校図案科〔明治45年〕卒,京都市立絵画専門学校〔大正4年〕卒

経歴
楠木正成の末裔にあたる甲斐荘の家に生まれる。のち、家系の重さを逃れて自由に生きるため甲斐庄改名谷口香嶠川北霞峰師事。大正7年村上華岳の勧めで第1回国画創作協会展(国画展)に「横櫛」を出品、樗牛賞候補となり一躍流行作家となる。以来、同展に出品し、13年国画創作協会会友、15年会員。日本画に洋画のリアリズムを加えた技法で芸者娼婦などを官能的に描いた。第5回国画展では土田麦僊の“きたない絵”批判で出品を拒否され、昭和3年国画展解散後、仲間と新樹社を結成するが、次第に画壇から遠ざかる。溝口健二との出会いを経て、16年映画界に転身、映画の衣裳、風俗考証などに優れた才能を発揮した。晩年再びその作品が注目され、51年には東京三越で回顧展が開催された。他の作品に「舞ふ」「歌妓」「娘子」「椿姫」などがあり、映画担当作品に「元禄忠臣蔵」「雨月物語」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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