甲高(読み)カンダカ

デジタル大辞泉 「甲高」の意味・読み・例文・類語

かん‐だか【甲高/×疳高】

[形動][文][ナリ]声が甲高いさま。
「―な女の声」〈荷風つゆのあとさき
[類語]甲高い声高こわだか高調子きんきん金切り声とがり声甲走る絹を裂くよう黄色い声

こう‐だか〔カフ‐〕【甲高】

[名・形動]
手や足の甲が高いこと。また、そのさま。「幅広甲高な足」
足袋や靴で、足の甲にあたる部分が特に高いもの。

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精選版 日本国語大辞典 「甲高」の意味・読み・例文・類語

かん‐だか・い【甲高】

〘形口〙 かんだか・し 〘形ク〙 声の調子が高く鋭い。
少年(1911)〈谷崎潤一郎〉「『此方へお上がんな』と甲高い声で怒鳴りながら」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉一「変に疳高(カンダカ)い声を出して笑った」
[語誌]音楽で、高音低音のことを「甲乙」という。この「甲」の「かふ」が、後の音とのかかわりで「かん」となった日本での慣用音が、一般に音の高い調子を表わすものとして用いられた。「甲高い」は高音を表わす「甲(かん)」に、音の高低を表わす「高い」を加えて成立し、音の高さを強調する言葉となったと考えられる。

こう‐だか カフ‥【甲高】

〘名〙 (形動)
① 手や足の甲の高いこと。
西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一四「足が十二文半甲高(カウダカ)で」
② たび、くつで甲に当たる部分が特に高いさま。また、そのもの。

かん‐だか【甲高】

〘形動〙 声の調子が高く鋭いさま。
※おぼろ夜(1900)〈永井荷風〉「隣家には抱子の浚ふと覚ゆる甲高(カンダカ)な艷いた声が」

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