留筆(読み)トメフデ

デジタル大辞泉 「留筆」の意味・読み・例文・類語

とめ‐ふで【留(め)筆】

手紙の終わり。文の結末
書家画家が、その師匠主君から、随意に筆を執ることを禁じられること。また、その人。
歌舞伎番付看板一座俳優を列記するとき、一番最後に書かれる俳優。ふつう座頭ざがしらが据えられた。また転じて、座頭のこと。→初筆しょふで

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精選版 日本国語大辞典 「留筆」の意味・読み・例文・類語

とめ‐ふで【留筆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手紙の文句の終わり。文の結末。
  3. 書家や画家などが、随意に筆を執ることを主君や師匠から禁じられること。
    1. [初出の実例]「留筆(とめふで)破戒はゆるせ山桜〈庚蘭〉」(出典俳諧・伊達衣(1699)上)
  4. 歌舞伎の番付や看板などに書く俳優の序列で、最後尾にすこし離して書く座頭(ざがしら)格の役者のこと。転じて、座頭のこと。
    1. [初出の実例]「櫓下看板 若女形、娘形、若衆形の名まへを書たるかん板なり。若女形は矢倉下三まいをよしとする。書始(いちふて)。中(なかぢく)。留筆(トメフデ)なり」(出典:楽屋図会拾遺(1802)上)

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