交代で貴人の屋敷や身辺を警護する役を勤めること,またその役。平安中期に内裏や摂関家の邸の警護にあたる大番の制が成立。鎌倉時代には京都大番役・鎌倉番役・異国警護番役などがあり,いずれも御家人の重要な任務とされた。朝廷にも天皇に近侍する禁裏小番(きんりこばん)があり,公家が交代で勤めた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…また雑徭(ざつよう)は地方的な土木事業に服し,その期間は年に40日以内であった。そのほかに番役と呼ばれるものがあり,行政運営に必要な各種の労役に交代で服務した。その期間は最高120日で,服役期間に応じて他の義務を免除されたが,後には必要な行政運営の労役は雇役に頼る傾向が強まり,代納が認められて資課と呼ばれた。…
…中世に整備されて近世にも存続する禁裏小番は,10番の事例もあるが5,6番が多く,《言経卿記》によると,5番制の内々小番と6番制の小番とがあって,武士と武官・弁官を除く大納言以下の公卿・殿上人は,散位をも含めて原則としていずれかの番に編入されている。
[武家政権と番役]
日常的な国家警備役の象徴となる内裏大番役は,院政期に始まると考えられているが,その初期の上番方式はまだ明らかにされていない。しかし鎌倉時代には幕府がこれを支え,国ごとに守護の催促のもとに御家人が大番衆として上番した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」