材料の疲労(疲れ)に対する強さを試験する材料試験の一種。機械や構造物に作用する荷重は時間的に変動する場合が多く、この場合は機械などを構成する各部分に生ずる応力も変動する。材料に応力が繰り返し作用すると、その最大応力が静的破壊強度よりかなり小さくても破壊することがある。この現象を材料の疲労、または疲れという。もっとも単純な繰り返し応力は、応力が時間に対して正弦波状に変化するものであり、繰り返し応力の最大・最小値の平均を平均応力、差の半分を応力振幅という。平均応力および応力振幅は材料の疲労強度に影響を与えるが、応力繰り返しの速さは通常ほとんど影響しない。
疲労試験では、表面を滑らかに仕上げた丸棒や板状の試験片に一定の応力振幅の繰り返し応力を加え、破壊するまでの応力繰り返し数を求める。いくつかの異なる応力振幅について試験を行い、その結果をもとにしてSN曲線が得られる。基本的な疲労試験としては、平均応力がゼロである両振り疲労試験と、最小または最大応力がゼロである片振り疲労試験がある。また加える荷重の種類によって、引張り、圧縮、曲げ、ねじりの疲労試験に分類される。
[林 邦夫]
…ストライエーションは,周期的な荷重によって,疲労亀裂の先端で,局部的な塑性ひずみが繰り返されることにより形成される。 疲労試験(疲れ試験ともいう)は,平滑な,すなわち切欠きのない試験片を用いて疲労限度を求めるものと,切欠きのある試験片を用いて亀裂進展挙動を計測するものとに分類できる。平滑な試験片を用いて,最大応力と最小応力との差(応力幅)をいろいろな値に変えて疲労試験を行ったとき,応力幅σaと,破壊に至る繰返し数Nとの関係をS‐N曲線(ウェーラー曲線)と呼ぶ。…
※「疲労試験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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