材料試験の一種で、材料の曲げに対する強さや変形のようすを調べる。丸棒または角棒状の試料の両端を支え、中央に荷重を加える3点曲げと、左右両支点から等距離の位置に同じ大きさの二つの荷重を加える4点曲げによる方法とがある。3点曲げは試験方法が簡便であるが、試料に加わる曲げモーメントが一様ではなく、材料の基本的性質を調べるには不向きである。しかし、材料の曲げに対する加工性を調べるなどの工業的試験はこの方法で行われる。棒状、板状、管状などの試験片を規定の内側半径をもつ円弧状に規定の角度だけ曲げたとき、湾曲部の外側に生ずる亀裂(きれつ)の有無により材料の曲げ加工性を判定する。また、脆性(ぜいせい)材料の曲げに対する破壊強さを調べる抗折(こうせつ)試験も工業的曲げ試験の一つである。4点曲げは二つの荷重の間で材料に加わる曲げモーメントが一定であって、純粋曲げの状態にある。曲げに対する材料の基本的性質を調べるのに適している。
[林 邦夫]
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…機械,構造物などを合理的に設計するには,材料の性質をよく知っていることが必要であり,材料試験は工学のもっとも基礎的な部分をなしている。
[材料試験の種類]
材料試験には,加える荷重の種類によって,引張試験,圧縮試験,曲げ試験,ねじり試験などの区別があり,また荷重の変動のしかたによって,荷重が十分ゆっくり加わる静的試験,繰返し荷重が加わる疲れ試験(疲労試験),衝撃荷重が加わる衝撃試験などの区別がある。さらに,これらの条件の種々の組合せが考えられるので,材料試験には非常に多くの種類があることになる。…
※「曲げ試験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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