病院食(読み)ビョウインショク

デジタル大辞泉 「病院食」の意味・読み・例文・類語

びょういん‐しょく〔ビヤウヰン‐〕【病院食】

病院内で入院患者などに供される食事

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「病院食」の意味・わかりやすい解説

病院食
びょういんしょく

病院など医療施設において特定疾患を治療する目的で患者に供される食事。病院給食ともいい、病人食もほぼ同じ意味で使われる。糖尿病に対する糖質制限食(糖尿食)、腎臓(じんぞう)病や循環器病に対する減塩食(腎臓食)など、特定の疾患をもつ患者に供される栄養素や摂取カロリーに制限を加えた特別食(治療食)をいうが、とくに制限を加えない患者用の一般食も含まれる。厚生労働省が特別食として認め、入院時食事療養費制度に基づいて保険から給付されるものには、ほかに肝臓食、膵臓(すいぞう)食、胃潰瘍(かいよう)食、貧血食などがある。これら以外には、診断のために検査の精度を高める目的で供される検査食や試験食などがある。なお、正月など特別な時期に供される病院食は、行事食とよぶ。また常食固形食)のほか、きざみ食や軟食(粥(かゆ)食)さらには流動食など、消化嚥下(えんげ)に配慮した食事も工夫される。

 減塩食などは、治療には必要であるものの味気ないという印象が強いが、味つけや風味だけでなく、患者にとって魅力的となるような見た目の形にも配慮した病院食が次々と考案されている。また、調理後の食事の配送時間や保温にも配慮するなど、入院患者がおいしく食べられるさまざまなくふうがなされるようになっている。そのため、臨床栄養部に専門管理栄養士調理師を配置する病院や、外部の集中調理施設(セントラルキッチン)や専門業者に委託する病院も増えている。

[編集部 2016年7月19日]

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