癖に(読み)クセニ

デジタル大辞泉 「癖に」の意味・読み・例文・類語

くせに【癖に】[接助]

[接助]《名詞「くせ(癖)」+格助詞「に」から》活用語連体形および格助詞「の」に付く。非難や不満の気持ちを込めて逆接条件を表す。にもかかわらず。のに。くせして。「弱い癖に強がりを言う」「本当は好きな癖に、そぶりも見せない」
[補説]打ち解けた会話に用いられる語。「のに」の場合よりも難詰や非難の気持ちが強い。また、「なによ、何も知らないくせに」のような終助詞的用法もある。

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精選版 日本国語大辞典 「癖に」の意味・読み・例文・類語

くせ‐に【癖に】

連語〙 活用語の連体形、または体言をうけた助詞「の」に付けて、…であるのに、…にもかかわらずの意にいう。他人動作状態について非難する気持を含んだいい方。くせして。
(イ) 活用語につく場合。
※虎寛本狂言・縄綯(室町末‐近世初)「扨又まづしい癖に夥敷い子供で御ざって」
(ロ) 体言をうけた助詞「の」に付く場合。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「おめへも生酔の癖(クセ)にしつっこいからだア」

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