白州町(読み)はくしゆうまち

日本歴史地名大系 「白州町」の解説

白州町
はくしゆうまち

面積:一三八・〇二平方キロ

郡の西端に位置し、釜無川右岸の氾濫原以西(旧片颪村は釜無川左岸)で西部山地から流出する大武おおむ川・尾白おじろ川・神宮じんぐう川など諸河川の形成する段丘や小扇状地を中心に、標高およそ六〇〇―七〇〇メートルに集落耕地が散在する。西部は駒ヶ岳など赤石あかいし山系の山岳地帯で、南アルプス国立公園・県立南アルプス巨摩自然公園に属している。北および西は釜無川を限り長野県、東は釜無川に浸食された韮崎台地(七里岩台地)を限り小淵沢こぶちさわ町・長坂ながさか町、南は大武川を限り武川むかわ村に接する。当町東部をほぼ釜無川に沿って国道二〇号が南北に通る。町名は西部の駒ヶ岳など花崗岩地帯から流出する神宮川(初め濁川とよばれていたが、玉砂利を年々明治神宮に献納することから名称変更)などの白砂が、釜無川との間で洲をなしていることによるという。

縄文時代早期末から前期初頭の遺跡が発見され、前半期に至るまで調査資料がある。根古屋ねごや遺跡では木島式土器を伴う繊維土器を出土する住居跡が一軒調査されている。板橋いたばし遺跡でもほぼ同時期の住居跡が三軒発見されており、この時期の集落資料として重要である。なおここからは黒曜石製の石鏃や石匙などの成品に加え、未成品や砕片原石などが多く出土しており石器製作跡ともみられている。近年圃場整備事業に伴い大規模な調査の行われた上北田かみきただ遺跡、新居道上あらいみちうえ遺跡は中越式および神ノ木式土器を含む前期前半期の集落として注目される。この二つの遺跡は隣接しており一つの集落としてとらえられ、計二三軒の住居跡が発見された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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