白髪一雄(読み)しらがかずお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白髪一雄」の意味・わかりやすい解説

白髪一雄
しらがかずお
(1924―2008)

洋画家尼崎(あまがさき)市に生まれる。1948年(昭和23)京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)日本画科を卒業。のち洋画に転じて吉原治良(じろう)に師事。床に広げたカンバスの上に盛られた絵の具の塊を、ロープにぶら下がってはだしの足で滑走するようにして塗り広げ、激情的な抽象画を描いた。55年具体美術協会の会員となり、第1回展から72年の解散まで国内と海外の具体美術展に参加出品。57年世界現代芸術展(ブリヂストン美術館)、翌年の「新しい絵画展――アンフォルメルと具体」に出品するなど、アンフォルメルの内外美術展に招待出品。65年第8回日本国際美術展で優秀賞を受賞。その後も、具体美術協会および日本のアクション・ペインティングを代表する作家として、国内外の主要な美術展への招待出品を続ける。93年には、ベネチアビエンナーレに出品した。

[小倉忠夫・柳沢秀行]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「白髪一雄」の解説

白髪一雄 しらが-かずお

1924-2008 昭和後期-平成時代の洋画家。
大正13年8月12日生まれ。吉原治良(じろう)にまなび,昭和30年具体美術協会に参加。足を絵筆代わりにつかうアクション-ペインティングで知られた。40年日本国際美術展で優秀賞。平成20年4月8日死去。83歳。兵庫県出身。京都市立絵画専門学校(現京都市立芸大)卒。作品に「水滸伝シリーズ」「丹赤(にあか)」など。

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世界大百科事典(旧版)内の白髪一雄の言及

【具体美術協会】より

…展覧会,野外展,舞台展などさまざまな形態で発表活動を行うとともに,機関誌《具体》(1955‐65,計14号)を刊行。世界的にみても,カプローフルクサスの活動以前にハプニングなどの形式を創造し,金山明,村上三郎,田中敦子,白髪一雄(しらがかずお),嶋本昭三,元永定正,吉原通雄らの初期の重要な活動によって,ネオ・ダダなど日本の反芸術的動向の先駆けの役割を果たした。57年のM.タピエの来日などを機に,反芸術的傾向からアンフォルメル絵画へと変貌する。…

※「白髪一雄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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