日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビエンナーレ」の意味・わかりやすい解説
ビエンナーレ
びえんなーれ
biennale イタリア語
biennial 英語
biennale フランス語
Biennale ドイツ語
「2年ごと」の意で、1年おきに、定期的に開催される展覧会のこと。1895年にベネチア市によって創設されたベネチア・ビエンナーレがもっとも古い歴史を有する。第二次世界大戦後、各国の芸術家の交流を通して同時代美術の方向を提起する試みとして、いくつかの国際美術展が発足した。1951年にはブラジルのサン・パウロ・ビエンナーレが創設され、ベネチアと並ぶ二大ビエンナーレとして交互に開催され現代美術の動向に大きな影響を与えている。日本でも「東京ビエンナーレ」の通称で知られた日本国際美術展(1952~70、毎日新聞社主催)、東京国際版画ビエンナーレ(1957~79、東京国立近代美術館・国際交流基金主催)などが開催された。1995年には韓国南西部の光州広域市で光州ビエンナーレが始まり、2回展(1997)、3回展(2000)を経て、東アジア有数の国際現代美術展に発展している。
このほか定期的に開催される国際美術展には「3年ごと」のトリエンナーレ、「4年ごと」のクアドリエンナーレがある。あらたな千年紀の幕開けとともに2001年秋には横浜トリエンナーレが創設され、21世紀の先端的な美術の動向を紹介する場となった。ドイツのヘッセン州カッセル市で開かれるドクメンタは、1955年の第1回展以来4~5年ごとに開催され、現代美術に強いインパクトを与えている。
[湊 典子・吉川節子]
『国際交流基金・毎日新聞社編『ヴェネチア・ビエンナーレ 日本参加の40年』(1995・毎日新聞社)』▽『石井元章著『ヴェネツィアと日本 美術をめぐる交流』(1999・ブリュッケ)』