盗跖(読み)トウセキ(その他表記)Dào Zhí

デジタル大辞泉 「盗跖」の意味・読み・例文・類語

とう‐せき〔タウ‐〕【盗跖/盗蹠】

中国古代の大盗賊。春秋時代の人とも、黄帝時代の人ともいう。多数部下を連れて各地横行したといわれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「盗跖」の意味・読み・例文・類語

とう‐せきタウ‥【盗跖・盗蹠】

  1. 中国古代の大泥棒の名。春秋時代の魯の賢人柳下恵の弟とも、黄帝の頃の人とも、また秦代の人ともいう。数千人を率いて天下を横行し、暴虐限りを尽くしたと伝えられる。「荘子」に孔子との架空問答がある。生没年未詳。
    1. [初出の実例]「盗跖以寿終、是亦若為」(出典本朝文粋(1060頃)一・兎裘賦〈兼明親王〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「盗跖」の意味・わかりやすい解説

盗跖 (とうせき)
Dào Zhí

中国古代の伝説的な大盗賊。盗蹠とも書く。魯の賢人,柳下恵の弟であったという説に従えば春秋時代の人であるが,実在の人物であったかどうかは不明である。性格は凶暴で,日ごとに無辜(むこ)の人々を殺し,人の肝を膾(なます)にし,財貨を略奪し,数千人の手下を集めて天下に横行,諸国を震憾させたという。《荘子》に〈盗跖篇〉があり,孔子と盗跖との架空問答を記す。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android