相剋(読み)そうこく

精選版 日本国語大辞典 「相剋」の意味・読み・例文・類語

そう‐こくサウ‥【相剋・相克】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 五行相剋説で、木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に剋(か)つとし、五行は木・金・火・水・土の順序で生起するとされているところから、水火・火金などの関係をいう。⇔相生(そうじょう)
    1. [初出の実例]「秋自西来也、而東字相剋歟、不心之由申也」(出典台記‐保延二年(1136)一〇月一二日)
    2. [その他の文献]〔李衛公問対‐中〕
  3. 対立・矛盾する二つのものが、互いに相手に剋(か)とうとして争うこと。また、その片方が相手に剋つこと。
    1. [初出の実例]「此方之下女之夫甘露寺雑色也。夫婦相刻、下女之髪切之云々」(出典:言継卿記‐永祿二年(1559)七月一七日)
    2. 「相剋する苦痛は、益募りて止ざるなりけり」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉前)
    3. 「政府対自由党員の相剋」(出典:啾々吟(1953)〈松本清張〉六)
    4. [その他の文献]〔易経‐同人卦〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「相剋」の読み・字形・画数・意味

【相剋】そう(さう)こく

五行相生の対。木土水火金の順で、土は水に、水は火に勝つ。〔李衛公問対、中〕兵は(きだう)なり。故に~之れを(かざ)るに數、相生相剋の義を以てす。其の實、兵の形は水に象る。地に因りてれを制す。此れ其の旨なり。

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