相生(読み)ソウジョウ

デジタル大辞泉 「相生」の意味・読み・例文・類語

そう‐じょう〔サウジヤウ〕【相生】

《「そうしょう」とも》
そうせい(相生)
相性あいしょうがよいこと。また、相性。
「お俊は庄兵衛と相剋そうこく彦右衛門と―なるべし」〈露伴・いさなとり〉

あい‐おい〔あひおひ〕【相生】

一緒に生育すること。
一つ根元から二つ幹が分かれて伸びること。また、2本の幹が途中で一緒になっていること。
相生挿し」の略。
相老あいおい」に同じ。

そう‐せい〔サウ‐〕【相生】

五行ごぎょうで、木は火を、火は土を、土は金を、金は水を、水は木を生じるということ。そうじょう。→相克そうこく

あいおい〔あひおひ〕【相生】

兵庫県南西部、播磨灘はりまなだに面する市。天然良港に恵まれ、造船工業地として発展。人口3.1万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「相生」の意味・読み・例文・類語

あい‐おいあひおひ【相生】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 二つ以上のものが、いっしょに生育すること。また、並んで生育すること。
      1. [初出の実例]「高砂、住の江の松も、あひをひのやうにおぼえ」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
    2. 一つの根元から幹が分かれて生えること。また、二本の木が途中でいっしょに付いていること。また、そのもの。
      1. [初出の実例]「今は更に連理の酌子枝朽ちぬ 相生の大根の様に覚えとあり」(出典:俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)北鯤独吟)
    3. ( 「相老い」と同音であるところから ) =あいおい(相老)
      1. [初出の実例]「相生の種よ宮守の焼きかげん」(出典:雑俳・村雀(1703))
    4. あいおい(相生)の松」の略。
      1. [初出の実例]「相生をそっと見て置く斗り也」(出典:雑俳・芥子かのこ(1716‐36))
    5. あいおいざし(相生挿)」の略。
      1. [初出の実例]「立花は池の方に相生(アイオヒ)迄習ひ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)一)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 謡曲「高砂」の古名。
    2. [ 二 ] 兵庫県南西部の地名。明治時代末の造船所創設とともに造船工業地として発展。南部の海岸は瀬戸内海国立公園に属する。昭和一七年(一九四二)市制。

そう‐じょうサウジャウ【相生】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「そうしょう」とも )
  2. 五行説で、木から火を、火から土を、土から金を、金から水を、水から木を生じるという、五行の運行に従って互いに他を生じること。そうせい。⇔相剋(そうこく)
    1. [初出の実例]「水にうつる景は梢を逆(さか)さまにして木に相違せり。水と木とは相生、中よしときけども、移る影は向背して見ゆ」(出典:海道記(1223頃)豊河より橋本)
  3. 人の生年を五行にあてて、その性が合うとすること。これによって男女の縁談などを定める。そうせい。
    1. [初出の実例]「人のうへのよしあしは、人相・さうじゃう・生れ性」(出典:浄瑠璃・百合若大臣野守鏡(1711頃)四)

そう‐せいサウ‥【相生】

  1. 〘 名詞 〙そうじょう(相生)〔李衛公問対‐中〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「相生」の意味・わかりやすい解説

相生(市)
あいおい

兵庫県南西部、播磨灘(はりまなだ)に臨む工業都市。1942年(昭和17)市制施行。1954年(昭和29)若狭野(わかさの)、矢野の2村を編入。相生の地名は、一説にもと那波浦(なばうら)字(あざ)大浦といったが、12世紀末ごろ大島に城を構えた海老名(えびな)氏の生国相模(さがみ)にちなみ、相生と改め、大島の大の音をとって「おお」と読ませたという。市域は、南北約19キロメートル、東西約7キロメートルと細長く、山地や丘陵が多く、低地は河谷や海岸部にみられるのみである。相生湾は沈水海岸で、湾入が約6キロメートルにも及び、水深6~7メートルの天然の良港。JR山陽新幹線山陽本線が通じ、JR赤穂線(あこうせん)を分岐する。また国道2号、250号、山陽自動車道、播磨自動車道が走る。一帯は、古くは秦(はた)氏の支配地で久富保(ひさとみほ)といい、12世紀以降矢野荘(やののしょう)となる。近世には赤穂藩に領知され、のちに一部は諸藩に分轄された。1907年(明治40)に播磨船渠(せんきょ)株式会社(のちの石川島播磨重工業。現、IHI)が創設されてから、造船の町として繁栄した。現在でも造船関連工業が立地しているが、造船業構造不況に伴い、脱造船の動きを強め、西播磨テクノポリスの副母都市として先端工業の導入に努めている。海岸部は瀬戸内海国立公園、北部は西播丘陵県立自然公園に属し、初夏に行われるペーロン祭、瓜生(うりゅう)の羅漢(らかん)石仏は珍しい。中世山城の遺構である感状山城跡は国指定史跡。面積90.40平方キロメートル、人口2万8355(2020)。

[富岡儀八]

『『相生市史』全9冊(1984~1995・相生市)』



相生
あいおい

徳島県中南部、那賀郡(なかぐん)にあった旧町名(相生町(ちょう))。現在は那賀町の東部を占める地域。旧相生町は、1956年(昭和31)相生、延野(のぶの)、日野谷(ひのたに)の3村が合併して町制施行。2005年(平成17)鷲敷(わじき)、上那賀の2町および木沢(きさわ)、木頭(きとう)の2村と合併して那賀町となった。那賀川中流域に位置し、地域の90%は山林で、住民の所有林が多い。東西に国道195号が走る。主産業は林業。特産は河岸段丘上に栽培される相生茶。日野谷、川口の両発電所が立地する。川口ダム湖畔には、もみじ川温泉がある。

[高木秀樹]

『『相生町誌』(1973・相生町)』『『相生町誌 続編』(2005・相生町)』

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改訂新版 世界大百科事典 「相生」の意味・わかりやすい解説

相生[市] (あいおい)

兵庫県南西部,播磨灘に臨む市。かつては相生(おお)町と呼んでいたが,1939年那波(なば)町を編入した際,相生(あいおい)町と改称。42年市制,54年若狭野村,矢野村を編入。人口3万1158(2010)。市の北部一帯は中世のころは東寺領の矢野荘に含まれていた。江戸時代から相生は港町として栄え,現在は日本の代表的な造船都市として知られている。深く湾入した相生湾は天然の良港であるが平地に乏しく,工業地区や公共施設は埋立地に立地している。市街地はもと漁村の相生,湾奥の商港那波,陸(くが)などからなるが,山陽新幹線や山陽自動車道の開通に伴い,市街地は北方に拡大している。播磨自動車道が分岐する。相生の発展は1908年播磨船渠会社(現,石川島播磨重工業相生工場)の創設に始まる。初期は修理専門の小規模な工場であったが,第1次世界大戦時の造船ブームに乗じて設備を拡充し,造船都市としての地歩を固めた。第2次大戦後,一時衰退したが,高度成長期に大型タンカーの量産に成功し一つの造船所としては世界最大の建造実績を誇った。しかし73年の石油ショック後,造船業の構造不況の影響を受け市勢は停滞している。
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相生(徳島) (あいおい)

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百科事典マイペディア 「相生」の意味・わかりやすい解説

相生[町]【あいおい】

徳島県中部,那賀郡の旧町。那賀川中流域の山地を占め,主要市街地の延野(のぶの)は国道195号線に沿う。那賀川総合開発に基づく開発が進み,日野谷発電所,川口発電所がある。木材,茶などを産する。2005年3月那賀郡鷲敷町,上那賀町,木沢村,木頭村と合併し町制,那賀町となる。101.39km2。3418人(2003)。

相生[市]【あいおい】

兵庫県南西部の市。1942年市制。相生湾に臨む中心市街は,1908年播磨船渠会社の創設とともに発展,造船関連産業,陸上部門の内燃機関など工業化が進み,造船(石川島播磨重工)を中心に播磨臨海工業地帯の一部をなす。近年構造不況の影響をうけ,西播磨テクノポリスから派生する高度産業の対応をめざす。海岸部は瀬戸内海国立公園に属し,毎年5月に開催されるペーロン祭も有名。山陽本線・新幹線,山陽自動車道が通じ,赤穂線が分岐する。90.40km2。3万1158人(2010)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相生」の意味・わかりやすい解説

相生
あいおい

徳島県中南部,那賀町南東部の旧町域。那賀川中流域にある。 1956年相生村,延野 (のぶの) 村,日野谷 (ひのたに) 村が合体して町制。 2005年上那賀町,鷲敷町,木沢村,木頭村と合体し那賀町となる。農林業が主で,特に茶の産地として知られる。花卉園芸も盛ん。那賀川総合開発によって日野谷発電所 (出力6万 1000kW) と川口発電所 (出力1万 1000kW) がある。

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普及版 字通 「相生」の読み・字形・画数・意味

【相生】そうせい

木火土金水。木は火を生み、火は土を生む(相剋の対)。

字通「相」の項目を見る

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「相生」の解説

あいおい【相生】

福島の日本酒。蔵元は「相田酒造」。現在は廃業。蔵は会津若松市大町にあった。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の相生の言及

【相性】より

…縁談においては後者による相性が問題とされることがあり,江戸時代ころからこの知識がひろまった。一般に木と火,火と土,土と金,金と水,水と木などの性は相生(そうじよう),水と火,火と金,金と木,木と土,土と火の性は相克(大凶)とされた。向かい干支(えと)として子と午,丑と未,卯と酉,申と寅,亥と巳歳も相生とされた。…

※「相生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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