真木山庄(読み)まきやまのしよう

日本歴史地名大系 「真木山庄」の解説

真木山庄
まきやまのしよう

槙山庄とも書く。現阿山町槙山に政所まんどころの地字があり、槙山付近に比定。東大寺領荘園。領家は同寺尊勝院(保安四年五月一四日「東大寺上座文書請取状」百巻本東大寺文書、文保元年一二月「東大寺年預下知状案」東大寺文書)玉滝たまたき杣の伐採によって荒地となった地に杣工が居住して開発した真木山村が、のち荘園となった(保安四年九月一二日「明法博士勘状案」東大寺文書)。保安二年(一一二一)伊賀国在庁官人らは「左衛門大夫実盛掠領字真木山開発田所当官物内見米不弁済事」を訴えた。東大寺が玉滝杣下司に召問したところ、下司は真木山の開発田は、玉滝杣の四至内を大法師隆助が東大寺に申請して開発した所で、実盛は開発使であり、官物は東大寺の御封に便補し、その残りは寺役を勤めるために使用されて数代を経ていると答えた(同年閏五月日「東大寺三綱陳状案」同文書)。同四年、東大寺は国司によって真木山村が押妨されたと訴え、東大寺の主張を認める判断がなされた(前出明法博士勘状案)。天養元年(一一四四)国司となった藤原信経は在京雑掌に土風を尋ね、東大寺が押領した真木山村を停止することを訴え、認められている(同年三月二九日「太政官符案」三国地志)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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