デジタル大辞泉 「着せ綿」の意味・読み・例文・類語 きせ‐わた【着せ綿/▽被せ綿】 1 物の上にかぶせてある綿。2 「菊の被きせ綿」に同じ。3 シソ科の多年草。山地・丘陵地の草原に生え、高さ60~90センチ。全体に毛がある。葉は卵形。8、9月ごろ、茎上部の葉の付け根に、淡紅色の唇形の花が咲く。花びらの上面に白い毛がある。4 キセワタガイの別名。5 菊の被せ綿に模して作った和菓子。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「着せ綿」の意味・読み・例文・類語 きせ‐わた【着綿・被綿】 〘 名詞 〙① =きく(菊)の被綿(きせわた)《 季語・秋 》[初出の実例]「白菊の、きせわたを暖めて」(出典:光悦本謡曲・猩猩(1466頃))「きせわたか白雲かかる菊月夜〈清之〉」(出典:俳諧・玉海集(1656)三)② シソ科の多年草。各地の野原や山地に生える。茎は四角柱形で、高さ〇・六~一メートル。全体に下向きの褐色粗毛がある。葉は柄があって対生し、葉身は長さ六~一〇センチメートルの卵円形で縁には大形の鋸歯(きょし)がある。夏から秋にかけ、上部の葉腋(ようえき)に長さ二・五~三センチメートルの淡紫色または白色の唇形花を輪生状につける。萼(がく)は鐘形で五裂し、先端は刺(とげ)になる。着綿草。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕③ 植物「くるまばな(車花)」の異名。④ キセワタガイ科の巻き貝。北海道南部から九州の内湾潮下帯の泥底に分布する。殻高約二センチメートルで体の割合に小さく、外套膜に包まれていて外から見えない。白色半透明で、螺層(らそう)はほとんどなく、殻口部が大部分を占める。軟体は乳白色で頭に綿帽子を着せたような形をしている。泥中のアサリの幼貝などを食べ荒らす。着綿貝。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例