デジタル大辞泉
「猩猩」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
しょう‐じょうシャウジャウ【猩猩】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① =オランウータン〔博物図教授法(1876‐77)〕
- ② 想像上の怪獣。猿に似て体は朱紅色の長毛でおおわれ、顔はヒトに、声は小児の泣き声に似て、人語を解し酒を好むという。
- [初出の実例]「言而不レ行何異二猩猩一」(出典:秘蔵宝鑰(830頃)中)
- 「ふだん猩々(シャウジャウ)のごとく酔て暮し」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)江戸)
- [その他の文献]〔礼記‐曲礼上〕
- ③ 酒や酢などの香に集まるハエの幼虫。蠁子(さし)。
- [初出の実例]「酒の香に付く小虫を猩々と云ふは何に事そ」(出典:壒嚢鈔(1445‐46)六)
- ④ 能面の一つ。妖精の少年をあらわす。赤く彩色されている。
猩猩[ 一 ]④〈奈良県天川社蔵〉
- ⑤ 芝居の役者の隈取(くまどり)の一つ。②の顔のように赤くいろどるもの。〔劇場新話(1804‐09頃)〕
- ⑥ ( ②が酒好きとされるところから ) 大酒を飲む人。酒豪。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「そんな猩々さんはせうちうのはうが柄にあってる」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉一)
- ⑦ ( これをかぶると②のように頭が赤くなるところから ) 疱瘡(ほうそう)の病気をした子どもの頭に、呪いとしてのせる紅木綿の手拭。
- [初出の実例]「出たはいの・猩々くさいだんではない」(出典:雑俳・削かけ(1713))
- 「門に棄てたる猩々(シャウジャウ)も、涙の種の笑ひ顔」(出典:浄瑠璃・太平記忠臣講釈(1766)七)
- ⑧ 「しょうじょうぎく(猩猩菊)」の略。〔俳諧・毛吹草(1638)〕
- ⑨ 梅ぼしをいう俗語。
- [ 2 ]
- [ 一 ] 謡曲。五番目物。各流。作者未詳。唐土の高風は親孝行だったので、夢のお告げによって市で酒を売り次第に富貴になる。ある夜潯陽江(しんようのえ)から猩々が現われ、高風の素直な心を賞して酒の泉を与えて舞を舞う。現行曲は前半を省略して半能形式の祝言能にしたもの。
- [ 二 ] 歌舞伎所作事。長唄。二世桜田治助作詞。二世杵屋佐吉作曲。本名題「猩々雪酔覚(しょうじょうゆきのえいざめ)」。文政三年(一八二〇)江戸中村座初演。三世坂東三津五郎の七変化舞踊「月雪花名残文台(つきゆきはななごりのぶんだい)」の一つ。雪の浜辺での猩々の一人踊り。現在はほとんど廃絶。
- [ 三 ] 江戸時代に行なわれた河原崎座の脇狂言の題名。明治七年(一八七四)、東京の芝新堀町に開場した河原崎座では「寿二人猩々(ことぶきににんしょうじょう)」と題して復活した。二人猩々。
- [ 四 ] 地唄。通称「女猩々」。伊勢屋三保作曲。謡曲「猩々」の文句を、遊女が銀襖の前で大杯をあおる趣向に書き替えたもの。京舞の手がついている。
- [ 五 ] 一中節。安政二年(一八五五)都一清作曲。謡曲「猩々」の文句をほとんどそのまま用いる。山田流の箏曲では、この作曲のまま演奏している。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
猩猩 (しょうじょう)
xīng xīng
現在では一般に南方に生息するオランウータンを指すが,中国の古典等に現れる猩猩は想像的要素が強く,姿の形容もさまざまである。一般には猿に似ているとされ,長髪で人の顔,人の足をし,その声は小児の泣くようであり,群れを作ってはって歩くという。一説に,狗(いぬ)や豕(ぶた)に似ているともいう。《礼記(らいき)》曲礼上に〈猩猩能(よ)く言う〉とあるが,ただ人の言葉がわかるにすぎないともされる。猩猩は酒と屐(げた)が大好きであった。それで猩猩を捕らえるときには,その二物を置いて誘う。猩猩はわなとさとって一度は逃げるが,やがてもどり酒に酔い,足には屐をはいているので,結局,捕らえられたという(《唐国史補》巻下)。また六朝時代には,すでに猩猩の血は毛織物を真紅に染めることができ,しかも長く変色しないとされた。真紅の色を意味する猩血,猩紅等の言葉が生まれた理由である。ちなみに,猩猩の唇は昔,美味な肉の一つとされた。
→オランウータン
執筆者:植木 久行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Sponserd by 
普及版 字通
「猩猩」の読み・字形・画数・意味
【猩猩】しようじよう(しやうじやう)
人に似た猿。唐・李白〔遠別離〕詩 日慘慘として、雲冥冥(めいめい)たり 猩猩は
に
(な)き、鬼は雨に嘯(うそぶ)く 我縱(も)し之れを言ふも、將(は)た何ぞ補はん字通「猩」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
Sponserd by 
猩猩
(通称)
しょうじょう
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 元の外題
- 寿二人猩猩
- 初演
- 明治7.7(東京・河原崎座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の猩猩の言及
【オランウータン】より
…ショウジョウ(猩々)とも呼ばれる。アフリカのゴリラ,チンパンジー,ピグミーチンパンジーに対して,オランウータンはアジアの唯一の大型類人猿である(イラスト)。霊長目ショウジョウ科。インドネシアのボルネオ島とスマトラ島のそれぞれに生息する2亜種が区別されているが,亜種間の違いはそれほど顕著なものではない。オランウータンというのは〈森の人〉を意味するマレー語で,彼らの生息地はこの2島の熱帯降雨林に限られている。…
※「猩猩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 