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短腸症候群(読み)タンチョウショウコウグン

デジタル大辞泉の解説

たんちょう‐しょうこうぐん〔タンチヤウシヤウコウグン〕【短腸症候群】

腸を広範囲に切除することで起こる消化不良・下痢・栄養障害などのこと。クローン病癌(がん)腸捻転などの手術後にみられる。SBS(short bowel syndrome)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

短腸症候群
たんちょうしょうこうぐん
short bowel syndrome

小腸閉鎖症や狭窄(きょうさく)症などの治療目的で小腸を広範囲に切除した後に生じる、下痢や栄養素の吸収不良を示す症候群。略称SBS。「短小腸症候群」ともよばれる。小腸の切除により消化吸収面積が少なくなり、摂取した食物の通過時間も短くなって栄養が十分に消化吸収できなくなる。また消化酵素のはたらきを助ける胆汁酸量(プール)の減少、腸内細菌叢(そう)のバランスの変調なども消化吸収不全の原因となる。栄養素の吸収は小腸のおもに空腸と回腸で行われ、とくに空腸では三大栄養素の糖質、脂質、タンパク質のほか、鉄分やビタミンのほとんどが吸収されるため、この部位が切除されると栄養素の吸収が著しく妨げられる。また回腸で胆汁酸やビタミンB12が吸収されるため、回腸切除は代謝障害を起こしやすい。小腸の広範切除後、2~3週間は頻回な下痢が繰り返されて脱水状態となり、同時に電解質も失われる。胃酸の分泌過剰などにより消化性潰瘍(かいよう)を伴うこともある。吸収不全から低栄養状態や体重減少に陥ることもあり、高カロリー輸液や成分栄養の持続注入などが必要となる。年齢にも左右されるが、広範切除後の残存小腸では腸管が徐々に拡張・肥厚して適応がみられるようになり、やがて平衡状態となる。とくに小児はその適応が早い。残存小腸の長さが100センチメートル以下では消化吸収障害が著しいため、栄養素のすべてを経口摂取だけで補うことは容易でないが、数十センチメートルでも残っていれば静脈栄養法(TPN:Total Parenteral Nutrition)や薬物療法によって長期生存も可能である。[編集部]

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