石上乙麻呂(読み)いそのかみのおとまろ

改訂新版 世界大百科事典 「石上乙麻呂」の意味・わかりやすい解説

石上乙麻呂 (いそのかみのおとまろ)
生没年:?-750(天平勝宝2)

奈良時代貴族。《万葉集》に短歌2首,《懐風藻》に詩4首。石上氏の出身で,左大臣麻呂の三子文人の首(はじめ)宅嗣(やかつぐ)の父。風姿文才を称せられ治部卿中務卿などを歴任し従三位中納言に至る。天平年中,藤原宇合(うまかい)未亡人久米若売(わかめ)と密通,土佐配流,2年有余の間展転閨中(けいちゆう)の情をつづって《銜悲藻(かんぴそう)》2巻を成したという。その事件を歌った《万葉集》巻六の時人の歌は瓦版風にもてはやされた歌として興味深い
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「石上乙麻呂」の解説

石上乙麻呂 いそのかみの-おとまろ

?-750 奈良時代の公卿(くぎょう)。
石上麻呂の3男。天平(てんぴょう)4年丹波守(たんばのかみ),10年左大弁となるが,翌年久米若売(わかめ)と通じ土佐に流される。18年遣唐大使にえらばれたが,発遣は中止された。20年従三位,のち中納言。詩文にすぐれ「懐風藻」「万葉集」に詩歌をのこす。天平勝宝2年9月1日死去。名は弟麻呂ともかく。
格言など】大崎の神の小浜は狭(せば)けども百船人(ももふなびと)も過ぐといはなくに(「万葉集」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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