石倉貝塚(読み)いしくらかいづか

日本歴史地名大系 「石倉貝塚」の解説

石倉貝塚
いしくらかいづか

[現在地名]函館市中野町・石倉町

縄文時代後期初頭の区画墓・墓域を主体とする遺跡。函館空港滑走路の東側、津軽海峡に面した標高五〇メートルの海岸段丘上にあり、眺望の開けたごく緩い傾斜地に立地する。海岸線まで八〇〇メートル、墓域の南端には水源地となっている深い沢があり、海峡に直接流れ込んでいる。平成五年(一九九三)から同八年まで発掘調査が実施され、三一〇基の土壙を含む当該時期の墓、土壙を囲む柵列、墓標痕跡やその他葬送儀礼に関連する遺構を主体に、一万基を超える遺構と、八〇万点にのぼる遺物が発見された。中心をなす区画墓は直径約八〇メートルほどの同心の構造となっている。遺構の発見されたエリアは、北側に高く、南側に緩く傾斜する沢状の自然地形を利用しながら掘削と土盛・はり土によって平坦面を構築している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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