函館市(読み)ハコダテシ

デジタル大辞泉 「函館市」の意味・読み・例文・類語

はこだて‐し【函館市】

函館

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日本歴史地名大系 「函館市」の解説

函館市
はこだてし

面積:三四七・〇五平方キロ

渡島半島の中央部南端東寄りに位置し、渡島支庁に属する。西は上磯かみいそ郡上磯町、北は亀田かめだ七飯ななえ町、北東は茅部かやべ鹿部しかべ町・南茅部町、東は亀田郡恵山えさん町、南東は同郡戸井とい町に接し、南は津軽海峡に面し、南西部に函館湾を抱える。市域は東西約二七キロ、南北約二一キロで、海岸線は約二五キロにも及ぶ。南西に突き出た函館半島西端の函館山(三三二・五メートル)は最も狭いところで幅一キロを切る陸繋砂洲部で函館平野とつながっている陸繋島で、市街はこの函館山を要として北東に向かって扇形に広がり、その先は山野部へ連なっている。市域の北東部には袴腰はかまごし(一一〇八・三メートル)三森みつもり(八四二・一メートル)台場だいば(五二七・八メートル)毛無けなし(六三〇・九メートル)三枚さんまい(五八五・九メートル)などがそびえ、他町との境界になっている。西から亀田川・松倉まつくら川・汐泊しおどまり川がそれぞれ市域を南流して津軽海峡に注いでいる。日本海を北上した対馬暖流は、津軽海峡西口付近で大部分津軽暖流として津軽海峡に流入する。このため年平均気温は道内で最も高く、また周囲を海で囲まれているため真夏日は年平均二―三日と道内他地域より少なく、真冬日も同様に他の地域より少なくなっている。

JR函館駅前を起点とする国道五号、同二二七号(大野町を経由して江差町に至る)、同二二八号(松前町を経由して江差町に至る)が市域西部を走り、国道二七八号(戸井町を経由して茅部郡森町に至る)が東部の沿岸部を走る。鉄道はJR函館本線・同江差線(木古内で津軽海峡線に接続)が走り、昭和六三年(一九八八)の青函トンネル完成で青森とは鉄道で直結された。これにより青函連絡船は廃止されたが、フェリーは函館港と青森港、大間おおま(青森県大間町)間で就航。函館空港は東京・大阪・名古屋・札幌、奥尻おくしり(奥尻町)などとの間に定期便があり、ロシアのユジノサハリンスクとの間には国際定期便が就航している。水産物の貿易港である函館港を中核として推移してきた地方商業都市で、就業人口の七六・六パーセントが第三次産業従事者(全国平均は六三・九パーセント)である。函館湾沿岸には造船・機械・食料品製造の工場が立地しているが、北洋漁業の衰微以来、経済活動の低迷が続いている。一方、函館山からの夜景、西洋文化を取入れた西部地区の町並景観(現弥生町・大町・元町・末広町、および豊川町の一部が函館市元町末広町伝統的建造物群保存地区の名称で国選定重要伝統的建造物群保存地区となっている)特別史跡五稜ごりよう郭跡、トラピスチヌ修道院など観光資源に恵まれ、近年は年間五〇〇万人を超える観光客が訪れ、市の東部の湯の川ゆのかわ温泉は観光客の基地となっている。


函館市
はこだてし

2004年12月1日:函館市が亀田郡戸井町・恵山町・椴法華村、茅部郡南茅部町を編入
【函館市】北海道:渡島支庁
【戸井町】北海道:渡島支庁
【恵山町】北海道:渡島支庁
【椴法華村】北海道:渡島支庁
【南茅部町】北海道:渡島支庁

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「函館市」の意味・わかりやすい解説

函館〔市〕
はこだて

北海道南西部,渡島半島南東部の亀田半島の大半を占め,津軽海峡に臨む中核市渡島総合振興局の所在地。1922年市制。1939年湯川町,1966年銭亀沢村,1973年亀田市を編入。2004年戸井町,恵山町,椴法華村,南茅部町を編入。中心市街地は函館平野の東部を占め,西部は函館湾に面する。安政6(1859)年,前年に結ばれた安政五ヵ国条約により貿易港として開港。1908年鉄道連絡船の就航により船車連絡港,さらに北洋漁業の基地として発展した。港湾商工都市。北洋母船式漁船団の集結港として知られているが,漁業制限水域の拡大に伴ってその機能低下が著しい。渡島半島を商圏とし,工業は造船,石油精製,化学肥料,漁具,漁網,水産加工などの業種が立地。亀田半島沿岸の漁業集落ではイカ釣り,コンブ漁が行なわれる。中心市街地は道南の観光基地で,昼夜の展望に優れた函館山のほか,船見町の外国人墓地,元町の旧函館区公会堂,ハリストス正教会,青柳町の函館公園,市立函館博物館,住吉町の住吉町遺跡など函館山麓の山手には数多くの歴史的建物と異国情緒豊かな古い町並みが残存している。なお北郊には国の特別史跡の五稜郭跡,国指定史跡の四稜郭が,東部には国指定史跡の志苔館跡がある。湯川にはトラピスチヌ修道院(トラピスト修道院の女子部)や湯の川温泉がある。南茅部では数多くの縄文遺跡が確認され,国指定史跡の大船遺跡垣ノ島遺跡は,2021年「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として世界遺産文化遺産に登録された。市の北部から東部にかけての地域は恵山道立自然公園に指定されている。JR函館本線の起点。国道5号線,228号線,278号線などが通る。面積 677.87km2。人口 25万1084(2020)。

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