日本大百科全書(ニッポニカ) 「石原喜久太郎」の意味・わかりやすい解説
石原喜久太郎
いしはらきくたろう
(1872―1944)
衛生細菌学者。島根県松江の生まれ。1901年(明治34)東京帝国大学医科大学を卒業。日本の衛生学と細菌学の開祖ともいうべき緒方正規(おがたまさのり)の門下生であり、母校の助手、侍医局勤務を経て1908年助教授、1919年(大正8)には伝染病研究所技師と東京帝国大学教授を兼任、衛生学第二講座を担当、のちに黴菌(ばいきん)学講座を担当した。1928年(昭和3)勲三等瑞宝(ずいほう)章、1929年「鼠咬(そこう)症の実験的共同研究」で学士院より東宮御成婚記念賞を受賞、また「鼠咬症病原に関する研究」で北里研究所浅川賞を受けた。
[藤野恒三郎]