石名坂（読み）いしなざか

日本歴史地名大系

石名坂
いしなざか

• 宮城県：仙台市
• 仙台城下
• 石名坂

[現在地名]仙台市石名坂

土樋（つちとい）の東、通町南材木（みなみざいもく）町の二筋西にあり、一筋東の舟（ふな）丁と同じく足軽屋敷が並ぶ。北部は穀（こく）町・南鍛冶（みなみかじ）町とも接し、北の弓（ゆみ）ノ町を上ると荒（あら）町に通じる。名称は石名という遊女にちなむといわれ、その墓石と伝えられる自然石の古い墓碑が現在も坂下の西側に建ち、碑面には承応三年（一六五四）と刻まれる。往時この地に遊廓が存在したか否かは不明だが、舟丁は寛永一四年（一六三七）から万治三年（一六六〇）まで遊女町であった（仙台鹿の子）。

石名坂
いしなざか

• 茨城県：日立市
• 石名坂村
• 石名坂

[現在地名]日立市石名坂町

国道六号（旧岩城相馬街道）の南大和田（おおわだ）町側より北久慈町側に向かって登りとなる長坂。「水府志料」の石名坂村の項に「十八道坂」として「坂長九拾六間。古来石那坂と書す。水戸義公命じて、十八道の字用ひらる。按ずるに、森山より磯原迄、片浜通十八ケ村への往還、此坂の外に道ある事なし。故に名付られし歟。此坂より北にある村々、これを坂上郷と称す」と記し、「新編常陸国誌」の石那坂の項には「旧誌ニ云フ、久慈郡金沢山麓ニ在リ、坂上ヨリ坂下ニ至ル二三里、路甚ダ嶮狭、僅カニ両馬ヲ容ル、所謂一夫険ヲ守ラバ、万夫過グル能ハザルノ地也」と記される。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」