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石橋物 しゃっきょうもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石橋物
しゃっきょうもの

歌舞伎舞踊,三味線音楽,箏曲,尺八楽,胡弓楽などにおいて,獅子を題材とするもの。能の『石橋』の系統に属する。歌舞伎舞踊では,多く前段に手獅子を持って舞い,後段で毛獅子のかぶりものをかぶって長い毛を振回すという形式が多い。1世瀬川菊之丞の『相生獅子 (あいおいじし) 』 (1734) ,『枕獅子』,1世中村富十郎の『英執着獅子 (はなぶさしゅうじゃくじし) 』 (通称『執着獅子』) など初期のものは女方舞踊で,能とは比較的離れた形であったが,幕末頃から『新石橋』『連獅子』『鏡獅子』『外記石橋 (げきしゃっきょう) 』など,能装束を取入れたもの,謡曲どおりの詞章のものなどが行われるようになって,顔に隈取をして長い毛を振回す獅子の舞を中心とするものになった。獅子の出および舞の器楽的間奏部には三味線の獅子の「狂いの合方」を中心として,能に近い「獅子」の囃子がつけられることが多い。

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大辞林 第三版の解説

しゃっきょうもの【石橋物】

能の「石橋」を舞踊化した歌舞伎舞踊。古いものには「相生獅子あいおいじし」や「枕獅子」があり、前ジテ・後ジテとも女方が優雅に舞うが、立役が踊るようになってから「連獅子」や「鏡獅子」のように後ジテの勇壮な舞があらわれた。

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世界大百科事典内の石橋物の言及

【髪洗い】より

…歌舞伎舞踊の〈石橋物(しやつきようもの)〉に使われる獅子の狂いの型の名。長い毛を前に下げ,左右に首を振る。…

【獅子】より

…(1)伎楽・舞楽の曲名および役名とその演技 〈師子〉と記した例が多い。ともに伝承は絶えているが,民俗芸能の獅子舞や鹿踊(ししおどり),能の獅子舞,近世邦楽や歌舞伎舞踊の獅子物・石橋物など,日本芸能史における獅子の芸能の淵源を示すものと考えられる。伎楽の獅子は,行道の先導役,治道(ちどう)に続いて登場し,悪魔払いの役目をつとめたとみられる。…

【石橋】より

…【横道 万里雄】(2)近世邦楽の曲名。《石橋》の曲名をもつものは,地歌のものが有名であるが,能の《石橋》から出た歌舞伎舞踊には,後述のように〈石橋物〉と統括されるさまざまな楽曲があり,《外記節石橋》《新石橋》《牡丹の石橋》などのほかは〈獅子〉の語が曲名に付されるものが多いので,それらを〈獅子物〉ともいう。ただし,〈獅子物〉には,とくに地歌・箏曲・尺八・胡弓において,能とは無関係のものも多く,〈石橋物〉と〈獅子物〉とは区別される場合もある。…

※「石橋物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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